こんにちは、Suketiです。
このコーナーでは、私の友人(友人は私のことを猿だと思っている)であるナンバーアルケミストH氏を紹介していきます。
何気ない日常の中に、思わず「なんでそんなこと考えるのか!?」とツッコミたくなるような天才的発想を持つ者がいる。
今日は、そんな “思考の怪物” とも言うべきY氏の話。
H氏と街を歩いていると、車のナンバープレートが目に入るたびに、突然計算を始めるのだ。
車が通り過ぎるまでのわずかな時間で、必ず 四則演算を駆使して10を作り出す 。
できないと悔しがり、次のナンバーでリベンジを誓う。
そんなH氏の思考回路に触れていると、私はいつも「世界の見え方が違うんだな」と思い知らされる。
そして、その日もまた、彼の “別次元の思考力” によって私は衝撃を受けることになるーー。
今回のテーマは 「食べ放題」 。
たかが食べ放題、されど食べ放題。
この出来事が、私の価値観を根底から覆すことになるとは……
ある日、H氏と「食べ放題に行こう」と話していたときのこと。
私はこう言った。
「食べ放題なら2人で行けば、1人で行くよりたくさん食べられるからお得だよね!」
自信満々だった。確信していた。
“食べ放題は2人以上で行くべき” ーーそれがこの世界の真理だと信じて疑わなかった。
しかし、H氏は不敵な微笑みながら、静かにこう言った。
「それだったら、食べ放題じゃなくて個別で頼んでシェアした方が、安くてたくさん食べられるんじゃない?」
その瞬間、私の思考は時が止まったかのように凍りついた。
……は?
……え?
……いや、ちょっと待て。
私は目の前が真っ暗になるのを感じた。いや、それは暗黒の闇ではなかった。
雷に打たれたような衝撃、宇宙の真理を突きつけられたような感覚。
奴は何を言っている?
確かに、理屈は通っている。いや、むしろ正しい。
でも、でも、それでは 「食べ放題に行く意味がない」 ではないか!?
だが、私は数秒後自身の愚かさを思い知る。
私は食べ放題の “お得感” を 「個人単位」 でしか考えていなかったのだ。
だが奴は違った。
奴は 「グループ単位」 で最大限のメリットを得る方法を考えていたのだ。
そこには、ナイアガラの滝よりも深く、マリアナ海溝よりも果てしない、 他者を思いやる心の差 があった。
私は愕然とした。
己の愚かさ、浅はかさ、自己中心的な視点の狭さに。
この男は、ただの食べ放題の話をしているのではない。
人生の本質を語っているのだ。
奴、いやH氏のような思考を持つ者が、企業経営者になり、国家を動かし、歴史を作るのだろう。
一方の私は、ただ目先の “お得” に飛びつくことしか考えられない愚か者。
私はその日を境に決意した。
彼の生き方を学び、真に “お得” な人生を歩むことを。
To Be Continued…