【ヘラルド飯:1品目】

ヘラルド飯

Radiant Herald、通称 「ヘラルド」 で生まれた 伝説の料理?や食文化 ?を紹介するコーナー。
第1弾は、開発者Kaiによる 「シャワーそうめん」 である。

「シャワーそうめん」

開発者:Kai

まだ私達が学生だったある夏の日の出来事。
当時、私は Kaiと遊ぶ約束をしており
彼の家に向かっていた。
もうだいぶ前の話で記憶は曖昧だが、おそらく 迎えに行っていたのだろう。

なぜなら——彼は寝ているからだ。

Kaiには 「集合時間」 という概念が存在していない。
故に、「待ち合わせ場所に時間通りに行く」という文化も持ち合わせていない。
結果、どうなるか?

迎えに行くしかないのだ。

しかし、Kaiもそれは 理解している。
彼の家では、家と 彼の部屋の窓に鍵がかかっていない 。
つまり、万が一 彼以外の家族が不在でも、私は家に入り、彼を叩き起こすことが可能 なのだ。

これはもはや 文化 である。

そして、この日も——
私はいつものようにKaiの家のインターホンを押した。
……反応なし。

電話をかけた。
……当然、反応なし。

ここまでは想定内である。

私は玄関のドアを開け、家の中へ。
「おじゃまします」

社交辞令的に、まったく意味のない単語を発した後、Kaiの部屋へと向かう。
だが——

彼はいなかった。

おかしい。
そんなはずはない。
彼が時間通りにどこかへ行くなど、 天変地異レベルの出来事 である。

違和感を抱えながら、耳を澄ませると——

風呂場から音が聞こえてくる。

……シャワーの音だ。

嫌な予感がした。
だが、確かめずにはいられなかった。
私は 恐る恐る風呂場を覗いた——。

そこで目にしたものは——
風呂の扉を開け放ち、浴室の床に座り込むKai。
背中に 冷水のシャワーを浴びながら、そうめんをすするKai。

完全に理解が追いつかなかった。

「……何してるん?」

震える声でそう尋ねると、彼は涼しげな顔でこう言った。

「これが夏の風物詩だろ?」

——その瞬間、私は悟った。

「シャワー × そうめん = 究極の涼 」

ヘラルド名物料理「シャワーそうめん」は、この瞬間に誕生したのである。

あの夏、私たちは また一つ、料理の新境地に辿り着いたのであった。

【レシピ】
《材料》

そうめん … 1束(または好きなだけ)
めんつゆ … 適量
氷 … ありったけ
風呂場 … 1室
冷水のシャワー … 1本
精神力 … 必須
《作り方》

そうめんを茹でる。(※茹でるのは通常の手順でOK)
氷水でよく締める。
風呂場へ移動する。(重要)
シャワーの冷水を全開にする。
風呂場の床に座る。
背中にシャワーを浴びながら、静かにそうめんをすすり始める。
悟りを開く。
食べ終わったら、そっとシャワーを止める。
《ワンポイントアドバイス》

できるだけ 無心で食べる こと。
シャワーを浴びながら食べることで、脳が「涼しい」と錯覚し、暑さを忘れることができる。
夏バテ防止に最適だが、精神的ダメージが大きいため、心を強く持つこと。
家族やルームメイトがいる場合、事前に説明しないと 絶対に通報されるので注意。