【脳内垂れ流し劇場・第一幕】

こんにちは、Suketiです。
――思ったこと、書いても書かなくてもいいことを、ただただ流していくコーナー――

脳内垂れ流し劇場 第一幕

「トルコアイスを食べられるようになりたい」

トルコアイスとは、ただのアイスではない。
それは、己の精神力と度胸が試される、エンターテイメント型試練の儀式である。

普通のアイスなら、こうだ。
店に行く。注文する。お金を払う。もらう。食べる。以上。

しかし、トルコアイスは違う。
まず、買おうとする者に試練が与えられる。
アイスが、渡されない。
伸ばされ、引っ込められ、翻弄され、もはやこれはアイスの受け渡しではない。
一方的な支配。アイス屋の掌の上で踊らされる哀れな客。

これが、人見知りの私にとって、どれほどの苦行か!

やる側はいい。
楽しいだろう、そりゃ。
でも、私はただアイスが食べたいだけなのだ!!

いや、待て。
これはトルコアイス批判ではない。
むしろ悪いのは私だ。
変わるべきは、私の方なのだ……。

トルコアイス屋さん、あなた方は何も悪くない。むしろトルコアイスはおいしい、おいしすぎる。
そして何より私も楽しみたい。本当は一緒になって楽しみたいのだ。
これは、人見知り・自尊心よわよわ君の、本当は一緒になって楽しみたいという儚い願望なのだ。
ただ、一つだけ、一つだけお願いをしてもいいだろうか。

――蘇る忌まわしき記憶――

あれは数年前。某・恋人の聖地と呼ばれる公園。
カップルが幸せそうに語らい、
空は青く、海は穏やか。
そんな平和な空間の片隅で、私は何の気なしにたまたまその場で芸を披露するマジシャンを眺めていた。

――すると。

「そこのあなた!!少し協力してもらえますか!?」

……え?
周囲が一斉に私を見る。
逃げられない。
いや、逃げる隙など、最初からなかった。

拍手が鳴り響く。
これはもう、公開処刑だ。
ローマ帝国なら、今ごろ皇帝が親指を立てているところだろう。

気づいたら、私はステージの上にいた。
足元に、謎のロープが投げ込まれる。
マジシャンが微笑む。

「このロープを、引っ張ってください」

……引けばいいんだな?
私は決意を固め、ロープをつかみ、力いっぱい引いた。

その瞬間――

ロープが、消えた。

……いや、そういうマジックなんだろう。
それはわかる。
でも、問題はそこじゃない。

私は突然消えたロープに対応できず、勢い余って空をつかみ、壮絶に前のめりに転倒したのだ。

どんっ!!!

私は地面にひれ伏した。
観客、沈黙。
マジシャン、明らかに動揺。

完全に、放送事故である。

私の中で時間が止まった。
この後、どうすればいい?
何か言うべきか?
しかし、私の口から出たのは、意味不明な「……あっ……」という呻き声だけ。

やがて観客は気まずそうに拍手を始め、
マジシャンは「えー、では次のマジックに……」と強引に進行した。

その後の記憶はない。
気づいたら、公園の隅で海を眺めていた。

――そして話は戻る――

私は、人見知りを克服したい。
いや、違う。
私はトルコアイスを買えるようになりたいのだ!!

だが、トルコアイス屋さんよ。
お願いだから、もし私がアイスを撮り損ねてこけたとしても、
「想定内です」という雰囲気を醸し出して欲しい。

慌てないで欲しい。
気まずい空気を出さないで欲しい。
でないと、またあの時のように、私は気づけば海を眺めることになるのだから……。